全ての技術は、歩行・走行からである。それらを疎かにしてサッカー技術の発展はない!

東工大附属高校サッカー部では、ヨーロッパなどサッカーの本場から多くの技術やトレーニング方法を導入し、独自の形式に変更して練習を行っています。その中で、多くのオリジナルな技術やトレーニング用語が存在します。特に歩き方、走り方といった身体の使い方のトレーニングには、特に注力しています。その中の一部をご紹介いたします。


ポジションを入れる

自分の姿勢が安定する場所にポジションを入れること。人間が不安定ならば、ボールコントロールも安定するはずがない。

ハム

かかとは尻と足の境から15 cm下の箇所。つま先は膝裏から10 cm上の箇所。ハムに乗った(エアーチェアー)状態が基本姿勢。

ハム走り

ハムで足を押し出すことによって、推進力が生まれるのみではなく、ボールに対して余計なステップを踏むことなく対応できる。

ハムシュート

外国人のほとんどがこの技術。振りかぶることなく(相手に寄られない)シュートが打てる。シュートが浮くこともない。

ハムドリブル(WITHボール)

ランニングのままボールを動かせる。蹴ってボールを扱うのでなく、身体が動いた所にボールがついてくる。よってわざわざボールに触れなくてよい。ボールを触ろうとした時が相手もボールを奪えるチャンスである。足の裏を使うのはボールを触ろうとしている証拠である。

ハムトラップ

ハムで足を上げると膝下には力が入っていなく、タオルの状態である。よって強いパスでもボールに当てるのみで止まる。止めようとすると足が棒になり(力が入った状態)ボールが逃げてしまう。

ジャンプ

エアーチェアー(ハムに乗る)の状態から、ポジションを入れた時に感じるヘソの下の重みを目標へ持っていく。滞空中の身体の動作が自由になる。滞空時間が長く感じる。足でジャンプすると、すぐに着地する。

股関節移動

股関節の切り替えでスピードを変化させる。切り替えのみで調整するので、足に力が入らない。よってボールタッチにも優位に働く。方向転換も股関節を行きたい方向へ向けると移動できる。足の先を動かすのではなく、根本を操作する。ボールコントロールも足先にならず、可動域も広がる。常に立ち足が定まるので、次の動作が正確で安定する。

股関節での浮き球処理

ボールに対して股関節を縮めると高い位置でのボールコントロールが可能になり、タッチ後の反応が速くなる。足先でボールを追うと、タッチした後にもボールを追うことになりコントロールに時間がかかる。

クロスランニング

上半身と下半身の連動を高める。肩関節と股関節をクロスのラインで縮める。連動をしていれば脚がついてくる。腹筋の使い方ができていないと連動しない(補強が正確にできない者は無理)。力の入らないスムーズな動きができる。無理にやると不安定になるだけ。

内側の意識

股の内側や、脇の内側を意識することで瞬発力が生まれる。手先、足先は遠いので反応時間がかかる。方向転換時も、一方の足にもう一方を引き寄せる速さでスピードが決まる。これも、足先を閉じるよりも、股を閉じるほうが短いので速い。

体のライン

腰のラインを指す。ラインが斜になっていると、行きたい方向に行けない、ボールを隠しきれない、足を回す動作になるのでキックが安定しない。

視線

必ず胸のラインが目標に向いている。視線は目標に対して向けていないと行けない。特にボールコントロールの時に足先で扱うプレイヤーは視線が足下に落とさないとプレーできない。股関節でコントロールできれば、足下に視線を落とさず目標に向けてプレーできる。シュート時もGK、ゴールを見ておけば空いているところがわかる。

ボールタッチ

足先でコントロールするとズレる。股関節をそこへ持って行く。安易にボールに触るのではなく、当てる場所に当たる場所をしっかり当てる。

ボールを隠す

ボールを運ぶときに必要。フェイントではない。相手の視界から自分の身体を使いボールを消す。足先で行うプレイヤーは意図が変わって行きたいところへ行けなくなる。

ブラインド

ボールを受ける際に、相手の視界から自分の身体を使いボールを消す。相手の対応が遅れるため、すり抜け、パス交換と崩しの時に使える技術。出し手は、相手に出せばよい。

※このページはサッカー部顧問の大森先生に監修いただいております。