No04. Y.Aさん 創薬研究 研究者(平成18年 材料科学・環境科学・バイオ技術分野卒)

Y.Aさんは、高校時代に材料科学・環境科学・バイオ技術分野に所属(当時は応用化学科)。大学、大学院と研究を重ね、現在創薬研究の研究者としてアメリカにてお仕事をされています。

※現在の研究の様子

※ヒューストン在住日本人サッカーチーム FcJAPAN

 後列左から3番目がY.Aさん

高校卒業後の進路 現在の仕事

高校時代、有機化学に興味を持ち、もっと学びたいと思い、薬学部に進学しました。大学でも、サッカー部に所属し関東医歯薬獣秋季大会3位や関東薬連大会優勝などサッカーを楽しみながらも良い成績をおさめることができました。学部3年の終わり頃に研究室に配属されるのですが、悩んだ結果、化合物設計から有機合成、生物活性評価、構造生物学的解析を全て行う研究室を選択しました。もともと実験が好きで薬剤師になるより研究の道に進みたいと思っていたので、大学卒業後、大学院博士課程に進学し、さらに創薬研究に没頭し、2016年に博士 (薬学) を取得しました。

 

更なる研鑽を積むためのポジションを探している中、偶然にもアメリカテキサス州にあるUniversity of Texas Health Science Center at Houstonの博士研究員に採用され、現在は次世代抗がん剤の研究を行なっています。抗がん剤と聞くと深刻な副作用を想像すると思いますが、その副作用を軽減できるような抗がん剤の創製を目指しています。また、今は博士研究員という駆け出しのポジションですが、独立を目指し日々研究に打ち込んでいます。仕事の傍ら、ヒューストン在住の日本人で構成されているサッカーチームに所属し、不定期ではありますがサッカーも楽しんでいます。

 


※実践学園にPK戦の末勝利し、都ベスト8を決めました。

※選手権都大会駒沢高校戦です。右端の選手がY.Aさん

高校時代の意識から今に活きていること

私は、サッカーを真剣にやりたくて東工大附属高校に入学しましたが、学業を疎かにしたくありませんでした。東工大附属の授業は大学レベルまで及ぶこともあるので、非常に難しかった記憶があります。

 

そんな中、サッカーと学業を両立する上で意識していたのは、やる時はとことん突き詰めるけれど、やらない時は全く手をつけない。すなわち、“onとoffのけじめ”をつけ「うまくサボる」ということです。そうすることで、サッカーも学業も自分なりに頑張れました。今でもその意識は変わりません。研究とは、究めていくものですが、研究のことばかり考えていると、脳は休むことができませんし、飽和してしまいます。その結果、良いアイディアは思い浮かばないので研究が行き詰まっていくという悪循環に陥ります。しかし、しっかり“onとoffのけじめ”をつけていると効率も上がりますし、良いアイディアはどんどん湧いてきます。この一つの意識だけでサッカーや学業、仕事、私生活など劇的に変わると思います。

 


※職場前にて

高校生に一言

ミスをおそれずにチャレンジし続ける。すなわち、「Try and error」です。それが成長や成功に繋がると思います。今は、とにかく様々なことに挑戦して、失敗・成功を経験して自分自身の基盤を構築してほしいと思います。

 

私は、現在アメリカで英語を駆使して研究をしています。渡米すること自体が、大きなチャレンジでもありましたが、自身の成長に繋がるという確信もありました。こちらで生活する以上、英語を使わなくてはいけません。恥ずかしながら今でも間違うことはありますが、間違ってもいいからとにかく話すこと (チャレンジすること) が非常に大切だと感じています。研究も同様です。むしろ、成功より失敗の方が多いかもしれませんが、成功した時の喜びは格別で、自身のモチベーションアップや新たなチャレンジへと繋がっていきます。

 

サッカーや学業 (受験)、就職とあらゆる状況で大きなチャレンジをすることが今後多くあると思いますが、皆さんには是非チャレンジャーであり続けて欲しいと思います。