No03. S.Wさん  建築家 (平成16年  立体造形ディジタルデザイン分野卒)

S.Wさんは、大学時代に外務省の留学支援制度にてメキシコに留学。現在、メキシコで建築家として活動されています。またあわせてサッカーイベントなどを運営。メキシコでは、治安の問題で日本ほど自由に子供達がスポーツが出来る環境ではないそうです。そのような、子供達にサッカーを楽しむ場を提供されています。

※メキシコにて

高校卒業後の進路 現在のお仕事

高校卒業後、教育学部(技術課程専攻)に進学しながら、体育会サッカー部に所属(関東大学リーグ1部)。サッカーを続けていましたが、一学年終了時に選手としてのサッカーを終える決断をしました。その時に“建築がやりたい”という想いが膨れ上がり、一年後、メキシコ・グアダラハラ大学デザイン学部建築学科に留学し、一年間建築を学びました。

大学を卒業後、工学部建築学科での修学(三年次編入)、日本国内の設計事務所での修行を経て、2012年秋にメキシコへ渡りました。

メキシコ国立自治大学(UNAM)建築大学院での二年間の研究を終えた後、自身の建築アトリエを立ち上げ、メキシコシティで建築活動中。現在までに、和風宿泊施設の設計,和食レストランの照明・改装設計(工事監理含),日本の文化・商業施設の設計を行っています。

その傍ら、サッカーの普及活動にも力を入れており、メキシコシティの日本人学校(LICEO MEXICANO JAPONES)にてサッカークラブのコーチを務めています。(幼稚園児から中学生まで対象)

また、メキシコ在住の日本人 -子どもから大人まで男女問わず- がサッカーで交流するイベント“FUTLIBRE(フットリブレ)”を立ち上げ、その運営を行っています。

 


※メキシコ国立自治大学(UNAM)建築大学院にて

※高校時代の写真。右端のキャプテンマークを付けているのが

 S.Wさんです。

高校時代に学んだこと、後に活きたこと

正直、高校ではサッカーができればいいと考えていた私ですが、東工大附属で学業にも力を入れることができたのは、サッカー部において“グラウンド内外で自分で考える力”が素養として身に付いたからです。つまり、自分で判断して、行動することです。

東工大附属サッカー部では、充実したトレーニング設備が整えられ、顧問の先生をはじめ、コーチ・スタッフが心身を研鑽するメソッドを与えてくれますが、それを活かすのも無駄にするのも、選手個々の判断・行動に委ねられています。しっかりと自己の目標を定めている選手は、何をするべきなのかを考え、能動的になってゆきます。

学業(=グラウンド外)も同じで、高校の生活では種々の教科、各々の専科でたくさんの情報、知識に触れるため、サッカー部で“考える力”を備えた生徒は自らそれらの中から必要性を見極め、その習得に勤しめるようになります。

進学先や、社会に一人で出た時、自分で決断しなくてはならない分岐点が多くあります。その度、高校時代に身に付いた判断力、そして行動力が目標達成への大きな一助となっていることを感じています。

 


※メキシコ在住の日本人 -サッカーで交流するイベト“FUTLIBRE(フットリブレ) 前列左端がS.Wさんです。

 

事務局よりお願い。

※高校時代のS.Wさんの写っている写真が見つかりませんでした。お持ちのOBの方いらっしゃいましたら、OB会事務局までご連絡ください。

現役の東工大附属生にひと言

“○○○バカであれ”

情熱を注ぎこめるもの、私にとってそれは“サッカー”でした。そして、今は“建築”です。いうなれば、建築バカです。

皆さんにとって、熱い想いをもって取り組めるものは何ですか。これだけは、他の人に負けたくないというものがありますか。

高校生ではその火花がチカチカ出てきて、そして、大学生、社会人では、自分の芯に灯り始めた火を切磋琢磨して強くしていくことでしょう。

今は自分の感性を信じて、興味のあること、好きなことに足を踏み入れて、とことんそれと向き合ってみて下さい。

 

私は現在、メキシコでスペイン語を使って活動していますが、高校生の時には自分のこんな姿を全く想像していませんでした。むしろ語学は苦手なくらいで・・・。

大学でメキシコへの建築留学を志した時、語学の勉強は苦でもありましたが、その先に自分が目指すものがあると信じて乗り越えることができました。その後も、メキシコの大学院や現地での仕事の中で大変なことがありますが、東工大附属サッカー部で培った“目標に突き進む芯の強さ”が常々私を奮い立たせてくれています。