05 K.Yさん 医療機器メーカー勤務(平成12年 立体造形ディジタルデザイン分野卒)

K.Yさんは、歴代キャプテンのなかで、最も熱いキャプテンです。顧問の先生も、「K.Yの代は俺が厳しいことを言わなくても、キャプテンがチームを引き締めてくれたから楽だった」と評していました。今も、若手OBの兄貴分として、OB会をまとめてくださっています。

※自身が所長を務める東京営業所にて

※装具のセッティングをしている様子

※アメリカニューオリンズで開催された全米整形外科学会ブースにて

高校卒業後の進路 現在のお仕事

はじめに、高校卒業後の進路に関して必ずしも私は自分が思い描いた通りの進路を歩んで来られたわけではありませんでした。紆余曲折ありながら自分が選んだ(いつの間にか選んでいた)道で、目の前の一日一日を前向きに取り組んでいると、流れ流れてある日これが自分のやりたいことなんじゃないかなーというものが見えてくることもあるということです。

ですからまだどういう道に進みたいか迷っている高校生の皆さんも焦ることなく、いろいろな分岐点において自分で決断してきたことに誇りと自信を持ち、後付けで大いに結構ですのでこれでよかったんだ!と前向きに捉えて進んでもらえると嬉しいです。東工大附属高校サッカー部はサッカー以外にもいろいろなことに興味が湧くヒントやきっかけ、考え方をたくさん学べる部だと思います。

 

私は高校卒業後、サッカーで上を目指すべく、関西1部リーグ所属の強豪大学に進学しました。トップチームでの出場は叶いませんでしたが、全国から集結したうまくておもしろくてクセの強い仲間たちと存分にサッカーと大阪の生活を楽しみました。同時に所属していた国際観光学科の研修やゼミでの活動がきっかけで海外へ渡航することも多く、体育会サッカー部に所属していながら大学生時代にしかできないことも数多く経験できたことは社会に出る上で非常に有意義なことだったと実感しています。

 

卒業後は医療機器メーカーに勤務。骨、関節、筋肉など運動器に関する疾患を診療する「整形外科」への製品販売を中心に仕事をしています。整形外科へはスポーツをしている患者も多く来院されます。プロ選手が手術を受けにくる施設でも採用されており、微力ながら選手の治療の一翼を担えていると感じたとき、この仕事をやっていてよかったなと思えます。また、輸入製品も取り扱う仕事柄、海外出張や外国の方と仕事をする機会も多いです。

 

昨年はThe Future of Football Medicineというサッカー医学に特化した学術集会に参加するためにカンプノウスタジアムにも行くことができました。世界中からサッカーに関わるメディカル関係者が参加され、日本からも代表チームのドクターやJリーグのドクター、トレーナーなど多数参加され、交流させていただきました。

 

私自身もサッカー選手になることが夢でしたが、今はサッカー界にスポーツ医学の観点から貢献、恩返しをしていくことに情熱を注ぎながら日々仕事に取り組んでいます。

 


※高校3年次 後列左端がK.Yさんです。

※公式戦の様子

高校時代の思い出・高校時代の経験が今に活きていること

東工大附属高校へは顧問の先生の元でサッカーをやりたいと思い、一般受験で入学しました。部員は少ない、うまい選手もいない、でもとにかく勝ちたい一心で厳しいトレーニングにも取り組んでいました。部員も20人ほどでしたが地区予選はほとんど取りこぼすことなく都大会までは進出していました。高校3年間の競技生活は本当にやりきった!感が強く、苦楽をともにした先輩後輩同期、東工大附属高校サッカー部に関わった多くの皆様とは今でも戦友としてつながっています。

 

東工大附属高校サッカー部の良いところはその時々のトレンドのさらに一歩も二歩も先を行く最先端の戦術やトレーニングなど先見性のある取り組みを常に実施しているところです。顧問の先生の飽くなき探求心と魅力的な人間性には多くの人が集まります。プロ選手と練習を共にしたり、分析のスペシャリストの先生がGPSで動作解析をしてくださったり、他の高校では味わうことのできない貴重な経験を積むことができます。

 

目標に対し、一生懸命、魂込めて、人生をかけて、それを一人ではなく、仲間を巻き込んで取り組むこと。新しいことを常に勉強し、取り入れ続けること。そして、色々な人とつながること。仕事をしていく上で大事なことの原点はすべて東工大附属高校サッカー部で学びました。多くのサッカー部OB、OGが日本国内にとどまらず、世界で活躍しているのは高校時代に経験してきたことが原点にあると思います。

 


※バルセロナ カンプノウで行われた The Future of Football Medicine 

高校生に一言

サッカー部のチームとしての目標は上を目指すことだと思います。一つでも多く勝ち続けてください。勉強を諦めなかった皆さんなら目標達成に向けて実直に計画的に取り組める素養があるので必ずできるはずです!

 

その過程において、うまくいかないことや望むようにならないときの方が多いかと思います。そんな逆境のときこそ自分を見失わず投げ出さず、先に見据える目標に対してブレることなく、目の前にある小さなミッションを仲間とともに一つ一つ乗り越え続けることができるか。仕事をしていく上でもとても重要な経験が高校の部活生活には詰まっています。良いときも悪い時も常にポジティブに捉え、その状況を楽しみながら乗り越える力を養ってほしいと思います。